全体の状況・互いの動きが見えない
組織個別の災害対応
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、災害対応する各機関が保有するデータの情報共有に関して課題が残りました。
例えば医療支援において、DMAT(災害派遣医療チーム)が参集拠点に到着しても、どの病院がどのくらい被災しているのか、受け入れはできるのかできないのか、そこに行くまでの道はどのようになっているのか、などの情報が入手できないために十分な支援活動が行えないという状況が発生していました。
後から分かったことですが、それらの情報は存在しなかったわけではありませんでした。残念ながら、当時はそれらの情報を共有する手段がなく、また自分が保有する情報を誰が求めているのかを知る方法もなかったのです。
災害時には様々な情報が、多数の組織から、異なる形式で発信されます。
これらを集約し、必要としている組織がすぐに利用できる形式に加工・変換して提供するのが、SIP4Dの機能です。
1情報の仲介運用
一般的に複数の組織の情報システムを連接して、相互に情報を共有するためには、組織の組合せの数だけ連接の工程が必要です。 このような「個別運用」においては、全組織から2つの組織を選ぶ順列の数(情報提供と情報利用を区別するとして、組織数をnとすれば、最大でn×(n-1)通り)の組織間調整とシステム開発が必要になります。 そこで、SIP4Dが仲介役として連接の手間を担うことで、連接にかかる調整はSP4Dとの1回だけ(最大でn×2通り)で済む運用方式をつくりました。 この「仲介運用」方式により、全体的には組織の数だけの連接で、効率的に双方向の情報共有を実現することができます。
2情報の統合処理
今までは利活用側が情報を「探し、入手し、処理」しなくてはいけませんでした。【情報を探さなくてはならない】【印刷物やPDFなど異なるフォーマットのため処理に適さない】【複数の情報を「選択・統合」しなくてはならない】など効率が非常に悪いのが現状です。
SIP4Dによる仲介運用により【複数の情報を1つのデータに統合】【データとして情報を提供するため、そのまま処理が可能】と「利活用側が必要な形でのデータ提供」が可能となり、情報共有の効率最大化が可能となります。